この記事ではレジンアクセ、キーキャップを制作する時の気泡の対策について、特に表面の気泡対策について解説しています。体積編とかぶる部分もありますが、復習として押さえておいてください!
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型をしっかり掃除しておく
シリコンにレジン溶液を流し込む前によく掃除しておきましょう。特に凹型なシリコン型が大半だと思うので結構1日箱の中に補完しておいただけでもホコリのような小さなゴミが入ってしまうことがあります。
表面にゴミが付着していると注いだ時にそこに空気がたまって気泡となってしまうため潰しておく必要があります。
掃除する際は無水エタノールまたはイソプロピルアルコールをニトリル手袋の先に付け、よく拭き取るのが一番キレイに作業できるかと思います。ティッシュやウエス等で拭うと新たな細かいホコリが付着することがあるので注意が必要です。手袋をしていると指紋や掌紋もつかないのでおすすめです。この状況下だとなかなか高品質なものは国内では購入できないので、 AliExpress
あたりで探してみた方がいいでしょう。
イソプロピルアルコール(IPA)は無水エタノールが硬化で買えないときの代用品として使用可能です。
Nitrile Gloves
で検索すると結構出てきますが、ニトリスト
と比べると段違いに耐久性が低いので1回使用したらそのまま捨てています。書いていて思ったのですが、Amazonからニトリストを買うのと今はあまり値段が変わらない感じになってきていますね。。。
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注型時はゆっくり
体積編の方でも書いた内容ですが、シリコン型へ流し込むときはゆっくりと細い糸のような感じで流し込みます。ドバっと入れると気泡を巻き込んでシリコンの表面に付着すると除去するのが大変です。
とがった部分にはあらかじめ塗っておく
ゆっくり細く注ぎ込んでも、深く溝になっている部分やエッジの立っている部分は気泡を巻き込みやすいです。
つまようじのお尻の部分などを使用して細かいところを先に塗っておきます。綿棒などを使用すると綿棒のホコリを巻き込みがちなので注意してください。
塗るのが確実ですが、面倒な場合にはレジンを注ぎ込むときに限りなく補足して、溝やエッジをなぞるようにして注ぎ込むことでも何とかなります。
例えばこのような土台のモデルの半透明部分にレジンを足す場合、溝の部分や山のエッジの部分によくレジンを塗っておく(濡らす程度でも)しておかないと結構気泡まみれになります。ちょうど灰色の部分にレジンを持っておけば気泡ができずに完成します。その部分だけ白や水色のインクを混ぜてあげると川や流れのようになってそれはそれで新しい模様が発生してきれいかもしれないです。
組み合わせるシリコンの凸側にはアルコールを塗る
これは結構重要な作業です。2の凸と凹のシリコン型を嵌め合わせて使用するタイプの型では凸側(後から嵌める側)の表面にものすごい気泡が付きやすいです。空気が逃げる場所がないためです。
なのでなるべくつるつるした、空気を巻き込まないように凸の表面をしてあげる必要があるのですが、ここに無水エタノールまたはIPAを事前に塗ることによって劇的に改善します。エタノール大活躍ですね!
自作キーキャップ用のこの凸部品なのですが、結構表面に気泡が付きがちで出来上がったときにかなり目立ってしまいます。
レジンを塗っておくのもアリですが、結構ぼたぼたと垂れてくるのであまり好きではないです。。(笑)
またエタノールを塗ることで自分好みのアルコールインクの模様が発生するので使用しています。それについてはまた別記事でまとめようと思います。
シリコンに投入してからは真空保存庫は使わない
脱泡装置では問題のないのですが、前回も紹介した真空保存庫程度の減圧能力であれば型に流し込んだ後のシリコンを脱泡するのは失敗するケースが多いのでお勧めしません。体積部分の気泡は消せるのですが、エポキシレジン(時間経過で硬化するレジン)の場合、気泡が表面から抜けきる前に硬化が始まりあられもない見た目になってしまいます。。
真空保存庫を使用するのは、シリコン型に流し込む前だけにしておきましょう。
気泡の空洞が外に繋がっている場合はある程度修正可能
気泡の一部が表面から飛び出て、内部の空洞にレジンを流し込める状態であれば、再度レジンや着色剤を流し込むことによって新しい模様を作ることができます。
右側の辺に盛大に気泡ができてしまっていますが、ここに別色に着色したレジンを流し込むことによってイイカンジに仕上げることができるかもしれないです。
最後に
以上で体積部分と表面部分の気泡の抜き方についてでした。どちらもやっていることはほとんど一緒で、気泡を巻き込まないこと、気泡が発生しそうな部分をあらかじめ滑らかな状態にしておくというのがポイントかと思います。
アルコールインクを使用したり、封入物の量や大きさに寄ったり、レジンの硬さなど気泡ができる要因は無数にあるため「絶対コレ!」という対策法はなかなか見つかりません。脱泡機は強力ですが封入物が動いてしまうのでデメリットもあります。
ですので、ここで上げた方法をいろいろ試してみて自分の制作物に合う脱泡方法を見つけていただければ幸いです。