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キーキャップ作成の裏事情 - #T08 光造形3Dプリンタ(Anycubic Photon)

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こんにちは、たねやつです。

今回の記事は光造形3Dプリンタについてです。というか主には出力したキーキャップはいかほどのものなのか??についてまとめていきます。

光造形3Dプリンタについて

光造形3Dプリンタは原料にUVレジンを使用し、紫外線を層ごとに照射することで造形物を作成していく3Dプリンタです。FDM機よりも積層がを薄くすることができ、精度も高いということで導入してみました。AnycubicのPhotonという機種です。

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裏事情

ZButtを印刷してみる

まずは印刷のテストと、スライサー(3Dモデルをプリンターで印刷できるようなファイル形式に変換するソフト)の扱い方のテストも兼ねてZbuttのStemCavityを印刷してみます。細かい造形、円柱(大小)、平面とテストに向いていそうな形をしています!🤣

積層痕が見えにくいようにと、うまく印刷できるように若干モデルを傾けます。面積の大きい面が多いほど印刷に失敗する傾向があるようです。(透明なフィルムの上に紫外線で硬化→z軸を上げて引き剥がすという工程を繰り返すため、積層の面積を小さくしたほうがいい)

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おおむね自動でサポート材をつけてくれるのですが、それでも歪んだりするので、テスト印刷を繰り返して歪む部分にサポートを付け加えたり、サポートの太さを変えたり、紫外線の照射時間を長くしてみたり...詰める部分が多くて非常に楽しいです。

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無事使うことができそうになったのがこちら。調子に乗って作りすぎました😂😂

実際に型に使用してみましたが、シリコンから引き剥がす時に湯口の部分が破損せずにキレイに取ることができました。

キーキャップを印刷する

次にキーキャップです。こちらも同じようにちょっと傾けて印刷します。どうせ後で磨くので積層は0.3mmと厚めにしておきます。

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ここだけ見ればピッカピカですべすべのキーキャップに見えますが、実際はレジン液が表面についているだけでそこまできれいではないです😂

ちなみに使用しているレジンはZbuttもこのキーキャップもELEGOOの水洗いレジン(Washable Resin)のクリアブルー色です。詳細は後の章でします。

印刷が完了した後に、水で洗い、最後に紫外線で硬化させます。印刷したてはまだほんの少し柔らかいのでしっかりと表面を追加で硬化(2次硬化)させてあげる必要があります。完成したのがこちら。

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これだけでもかなりきれいなのですが、ここからさらに研磨していきます!

研磨するとピカピカに!!

まずは#600#1200の耐水ペーパーで表面の積層痕や傷などを削っていきます。この工程は普通にキーキャップを磨くときと同じですね!磨きが完成するととてもマットでスモークガラスのような質感になります。(画像取り忘れた...) これはこれでありな感じがします。もとから積層痕でマットな仕上がりになっているのですが、さらに透明度がなくなった感じでした。研磨についてはコッチの記事でも紹介しています。

ここからコンパウンドを使用してツヤを出していきます。上記の記事でもありますが、ホルツの粗目・細目・極細の3つを使用します。今回はリューターを使用して磨いていきました。やはり手で磨くよりも細かいところ以外は楽ですね。。。

極細まで磨き終わったものがこちら!!

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背景色が先ほどと少し違うので厳密な比較にはならないのですが、キーの天面からキーの軸部分まですっきりと透けて見えているのがわかると思います。

表面の積層痕を削っても内部の積層は残るので、うまく透過できないかなあと思っていましたが問題なく透き通っています。

動画で研磨前後を比べてみるとこんな感じです。画質が悪いときは動画を全画面表示して少し時間が経つと画質が良くなります。(Twitterの仕様)

レジンによる違い

今回使用しているのはELEGOOの水洗いレジンのクリアブルー色なのですが、同じくELEGOOのABS風レジンのクリア色も試してみました。どちらも照射時間などの推奨パラメータは同じなのでスライスしたものを使いまわすことができました。出力結果も同じでした。

透明という割にはかなり黄変するのでエポキシレジンのような透明感を求めている人にはちょっと違うかもしれないです。もっと高価なレジンであれば黄変しないのかも。

クリアイエロー的な扱いで見てあげると結構いける見た目をしています。

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自分が初めて買ったレジン液が水洗いレジンだったためか、水洗いではないレジンの洗浄工程がとても面倒に感じてしまいます🥱 IPAにかかる費用や作業時間を考慮すると水洗いレジンのほうが若干価格は高くとも、安価な気がします。

資材

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