へちょあまの工房

レジンなどのハンドメイドアクセサリの制作記録などを書いています!

レジンから気泡をなるべく取り除く方法 (1 - 体積編)

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この記事では、レジンを固めたときに発生する気泡の体積部分(表面ではなく作品の内部の部分)を減らす手段についてまとめています。表面部分付近に発生する気泡については次の記事で解説します。(記事作成中)

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前提として硬化前はなるべく気泡を発生させない

大前提となりますが、そもそも気泡が混入していなければ体積部分には滅多に気泡はできないので、着色レジン液や混合レジン液を作成するときに注意する必要があります。

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UVレジンで気泡が発生してしまうパターンとしては、レジンの容器や着色剤の容器の注ぎ口の処理がギザギザしていて、液が引っかかり気泡が混入してしまうパターンです。自分でニッパーで注ぎ口切ることが多いと思いますが、切った後は軽くヤスリがけやつまようじなどで穴の内径部分をグリグリして滑らかにしておくといいです。

混合レジン液を混ぜるときは、きれいなかき混ぜ棒を使用してゆっくりかき混ぜるようにします。急いで混ぜると極小さな気泡が混ざりがちなので後から取り除くのが困難になってしまいます。溶液を作る容器の壁を沿うようにぐるぐると時間をかけて撹拌をします。これはUVレジン液に着色剤を混ぜるときも同じです!

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UVレジン液も混合レジンも、液体の温度を上げることで粘度が下がり、気泡が発生しにくく・抜けやすくなります。エンボスヒーター(ヒートガン)を使用して温度を上げることができます。あるいはFDM3Dプリンターを持っている人はホットベッドの上に置いて温めるのも有効です。

温めているときは、レジンを入れている容器をぐるぐると回しながら全体の温度を上げるようにします。温度差があると収縮率に差が出たり、混合レジンだと固まりにくくなる部分が発生する気がします。

フィルターで濾す

三角コーナーで使用する不織布のゴミ袋を2重に重ねて、液を流し込んで濾すことで気泡のない液を作り出すことができます。

この工程のデメリットはある程度のレジン液が必要である点と、レジン液がある程度無駄になってしまうという点です。あまりに少量すぎると不織布に全部吸われてしまいますので、50g以上ぐらい使用するときにこの工程を使用したほうがいいです。(それでも何割かは不織布フィルターに付着して残ってしまいますが、、、

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ストッキングやティッシュ(ウレタンレジンのみ?)でも濾すことができるそうですが試していないです。どなたか知見のある方コメントお願いいたします!

注型時はやさしく糸の細さで

気泡のない溶液が完成したら、それをシリコン型に流し込んでいきます。流し込むときは一気に大量に流し込まずに細く糸のような太さで流し込みます。こうすることで余計な空気を巻き込むリスクを抑えることができます。

つまようじでつつく

シリコンへの注型後に気泡が発生してしまった場合は、大きなものから取り除いていきます。ゆっくりとえぐり取る感じでどんどん表面へ逃がしていきます。高速にツンツンしたりすると余計に気泡が入って悪化することがあるので注意してください。

ライターであぶる

海外のレジン作家さんがよく使用しているのですが、エポキシレジンの表面に浮き出てきたごく小さな泡のような気泡はライターやトーチで割っていたりします。

(6:13秒あたり)

ですが個人的にはあまりオススメできない方法です。あまりシリコン型に近づけすぎると型が変形したり溶けたりしてしまうのでせっかく作成した型が使えなくなってしまう恐れがあります。

それよりも前述しているエンボスヒーターによる加熱で先に気泡を飛ばしておくほうが安全だと思います。

真空保存庫を使用する

個人的に一番効果のある方法だと思いますが、混合レジン液を作成した後に10分ほど真空保存庫に入れて減圧してあげると気泡が一気に消えてくれます。真空保存庫は以下のようなものです。本来の使用用途は食品の保管などのようです。。

アルコールインクによるレジンアートを制作するときにもとても役に立ってくれます。インクを流し込むまでに待つ時間の長さによって模様の流れ方や柔らかさが変わってくるので気泡を抜くがてら使用しています。

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シリコン型を制作するときにも必需品になってくるのでちょっとだけ本気でレジンアクセやキーキャップをしてみようという方は最初にそろえておくべきアイテムの一つだと思います。

封入物にはエタノールを噴きかける

封入物にくっついて小さな気泡が混入することがよくありますので、封入物はエタノールで湿らせてから入れると気泡がくっつきにくくなります。近頃は無水エタノールは手に入りにくくなっているので代わりにイソプロピルアルコール(IPA)を使用しています。

無水エタノールP 500ml(掃除)

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  • 発売日: 2007/03/29
  • メディア: ヘルスケア&ケア用品

発生しても問題ないデザインにする

これは気泡の混入を防ぐというよりも、気泡をデザインに取り込むというアプローチです。たとえば水中に見立てた作品でわざと気泡の柱を作ってリアル感を出してみたり、ソーダのような質感に応用してみたり、、、など様々あるかと思います。

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こんな感じで波の中に気泡が、という感じだと逆にリアリスティックな印象が与えられるかもしれないですね😅

自分は透き通った作品が好きなのでなかなかそういったデザインのキーキャップとかはまだ作れていないですが案はいくつかあるのでいずれ作って記事にしてみたいと思います😋

最後に

ここまでいろいろ書いていますが、基本的に最初に丁寧に液を混ぜて極力気泡が入らないほうにすればおおむね鑑賞には耐えうるものができると思います。私も販売するものを制作するときは、まずは丁寧に気泡が出ないように溶液を作り、真空保存庫で気泡を追い出すぐらいしかしていません。(次の記事の表面編で紹介することは行っていますが)

正直すべての工程を行っても気泡が入る時もあるし、真空保存庫だけでほぼほぼ気泡が抜けるときもあります。混合レジンの場合は特に30-40分も時間をかけてしまうと硬化が始まってしまうので時間との勝負です。。

どんなレジンにも言えることですが、気泡などの対処に時間がかかりすぎて面倒になって制作をやめてしまうことが一番もったいないので、ある程度は妥協して次に期待!という風に進めていくほうが楽しいかと思います。

誰かへのプレゼントや販売するものでなければ適当に済ませて趣味としてレジンアクセサリー制作を楽しむのが一番いいデザインのものが作れると個人的には思います。

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次の記事

次の記事では表面に浮き出てきてしまう気泡の対処法についてです。