へちょあまの工房

レジンなどのハンドメイドアクセサリの制作記録などを書いています!

レジンでアルチザンキーキャップ(Artisan Keycap)を作成する (3 - レジンキャスト~完成)

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この記事ではZ-Buttを使用したメカニカルキーボード用のキーキャップのレジン用シリコン型を制作するための手順について解説しています。

全3回の記事で、3個めの記事です。今回はいよいよレジンを流し込んでキーキャップを作っていきます。

前の記事

シリコン型の作成まで。まだシリコン型を作成していない場合はコチラの記事を参考にしてください。UVレジンを使用して作成したい場合は必ず透明なタイプのシリコンを使用してください(光が届かず硬化しません)。

作りたい作品をイメージする

まずは作りたい作品をイメージしましょう。色は何色にして、デコレーションパーツにはこれを使って...など考えてみます。今回はとりあえず無色透明のキーキャップを作成することにしますが、混合レジンの場合は作業時間が限られているので作成前によく考えておきましょう。

手順

作業する前に必ず手袋をしましょう!!硬化前のレジン液が素肌・粘膜に触れるとアレルギー反応を起こす場合があります。薄手のニトリルゴム手袋が作業しやすくおすすめです。

レジンを用意する

まずはレジンを用意します。UVレジンを使用する場合にはこの章は必要ありません。混合レジンは以下のものを使用していきます。(1.5kgのものもAmazonで売っています)

UVレジンの場合は以下の製品が使いやすいです。(類似した名前の製品があるので注意してください)

混合レジンは混ぜた段階で結構細かい気泡が発生します。硬化する中で殆どは消えますがエンボスヒーターで加熱して潰せる分は潰しておきます。ライターで炙る方法もあるようですが硬化前のレジン液は可燃性ですので危険です。

KIYOHARA Craft Gallery エンボスヒーター EHT

KIYOHARA Craft Gallery エンボスヒーター EHT

  • メディア: おもちゃ&ホビー

全く違う方法ですが不織布を使用して気泡をフィルタリングする方法もあるようです。少しレジン液が無駄になるかもしれませんが今度試してみたいですね。

溶液が白く濁るようなとても細かい気泡に関しては硬化時に消えるのでそこまで気にしなくても大丈夫です。

シリコンを流し込む

まずはシリコン液を型に流し込んでいきます。何も考えずに満タンまでレジン液を流し込んでも問題ないですが、StemCavity側(以下蓋と表現します)をはめ込んだときにある程度漏れ出すので、95%程度流し込むだけでも問題ないです。

シリコン型に流し込む前に、大きな汚れやホコリ、前回作成したときに出た破片が方の中に残っていないか確認します。

シリコン型を作成したときと同じように、型の中心にゆーっくり流し込んでいきます。イメージ的には液体が糸のように細くなるように流し込みます。こうすることで大きな気泡の発生を防ぐことができます。気泡が発生してしまった場合は爪楊枝などで突きながら潰しましょう。

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上記は着色もしながらの作業の写真となりますが、これぐらい液を入れるでOKです。

着色する・デコる

流し込んだら色をつけたり、封入物を入れていきます。UVレジンの場合は粘度が高いので封入物を入れても沈まないですが、混合レジン(エポキシレジン)を使用している場合はサラサラなので、数分経つと底面(キーキャップ表面)へ向かって沈んでしまいます。

混合レジンでこれを解消するためには、数時間放置し、硬化途中の液体に封入物を入れるとうまく行くかもしれませんがまだ試したことはありません。検証後追記します。

今回はこの工程はすっ飛ばします。

蓋をする

蓋をしてキーキャップの形にしていきます。はめ合わせるときは力加減に注意してください。強く押し込みすぎて、レジン液が必要以上に外に流れ出でしまうと、内部の空間に空洞ができてしまう(気泡となる)ので十分注意してください。最小限の力で外側だけに力をかけるようにはめ合わせていきます。

シリコン型を横から見たときに平行にしっかり嵌っていることを確認してください。完全に嵌っていない場合にはキーキャップが歪んでしまうので注意してください。

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左と手前のシリコン型はいい感じにはまっていますが、右のシリコンの右下部分がちょっとだけ浮いてしまっています。これでもある程度問題なく成形はできますがなるべくピッチリ嵌め合わせるほうが失敗する確率は下がります。

ある程度は横側、通気口からレジンが流れ出るので不要な紙などを下敷きにして机につかないようにしましょう。流れ出たインクやレジン液はアルコールなどでふき取っておきましょう。硬化してしまうと机の塗装やコーティングごとはがれてしまいます。。

硬化

混合レジンの場合は、そのまま水平な場所で1-2日ほど放置して硬化させます。

UVレジンの場合は、蓋側から指定時間UVライトを照射します。封入物で影になっていて硬化しているか心配であれば、ひっくり返して裏側からも1-2分照射しておきましょう。

取り外して整形する

十分硬化できたらシリコンを取り外していきます。まずは蓋側を引っ張ってとっていきます。

シリコン型を作成したときと同じように、四隅から徐々に力を加えていってシリコンとキーキャップの間に空気の層を作るようにシリコンを引っ張っていきます。シリコンが透明であれば空気の層ができると白くなるのでわかりやすいです。

隙間ができたら更に徐々に引き剥がしていってもいいですが、レジン用のクリーナーを隙間に流し込むとスルッと取れます。が、あとからシリコンを拭いて乾かしたりするのが面倒です。

MasterBase側だけを剥がすことができるとこんな見ためになります。

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こんな感じでスポッと撮ることができます。この状態でよく写真を撮ってTwitterにあげてます。(なんか製作途中って感じでカッコよくない!?)




次に蓋側を取っていきますが、こちらも今までと同じように四隅からじりじりとはがしていく要領で進めていきます。あまり無理に取ろうとすると軸の部分のシリコンがもげてしまうのでここは細心の注意を払って取っ払ってください。

個人的には硬化し始めてから1日しか経っていない、まだちょっとだけ柔らかい状態のほうが引きはがしやすい気がします。なのでその時点でシリコンから取り出して、もう1日放置して完全に硬化したのちに後処理を行っています。

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すべて取り終わるとこのようになります。ニッパーなどで大きい柱8本と、軸の部分の細い柱4本、周りのピロピロを取るとキーキャップの形になります!

後処理

ここからさらに以下の作業を行うとより完成度、美しさが増します。

  1. 小さな気泡、キズなどでへこんでいる部分をUVレジンで埋める
  2. ふち、軸の部分にやすりがけを行い滑らか・平坦にする
  3. 細かい紙やすり・コンパウンドで全体を研磨しピカピカにする

自分で使うだけであれば3の作業だけでも十分見ごたえのあるキーキャップとなります。3の作業については別途記事に書こうと思いますが、以下のコンパウンドをニトリルゴム手袋の人差し指につけて、番手順にひたすら磨くのが個人的にはベストの方法です。

完成!!

磨きまで完了した場合、こんな感じになります!

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光沢感があるのを表現したいのですがなかなか難しいですね🙃

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ここまで透明なキーキャップは量産品ではないので無着色の状態でも存在感ありますね🤣

最後に

以上でシリコン作成からキーキャップ製作までの大まかな流れでした!この手順だと3Dプリンタを使用したり初期投資が結構かかってしまったり、シリコン・レジンの硬化町待ちで完成まで日数がかかってしまったりして敷居は高いかもしれません。。。はじめ作る方にはUVレジンのほうがおすすめですね。(すぐに完成するので)

自分自身も明文化したことがなかったのでおそらく抜けている部分もあるかもしれませんがコメントなどで失敗した点や共有したい点などありましたらぜひお願いいたします。

研磨の方法やそのほかレジンのアイテム作成について今後もどんどん記事にしていく予定ですのでお楽しみに!以下最近作った自分のキーキャップです!

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